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2017年、京都への催事出店を記念したポムダムールの4つ目の作品。
2014年に本店がオープンしてから2017年までの二年間、
シナモンとショコラしか作品が誕生していなかった。
この頃はまだ固定観念にとらわれており、
「粉をかけたチャラいりんご飴なんか認めん!」とか思ってた頃だ。
まずはプレーンを極めることを目標としていたのでパウダーの開発は気乗りしなかった。
この京抹茶の開発を機に考えも柔らかくなり、今に至る。
そういう意味では現在の作品群のきっかけともなる重要な作品だ。
京都への出店が決まり、限定味でびっくりさせたい!という思いはあったが、
抹茶選びは難航した。最大の問題は抹茶のえぐみだ。
純粋な苦味は旨味だが、りんごに合わせるとどうもえぐみが際立ってしまう。
粉自体を甘く加工してしまえばえぐみは消えるが、抹茶本来の豊かな苦味が失われてしまう。
数種類の抹茶粉を研究してやっと完成させることができた。
口に入れた瞬間に広がる抹茶の香り、重めの苦味。
りんご飴と噛み合わさりだんだんと甘く溶けあう。
順当に行けばショコラの次のレギュラー商品という可能性もあったが、
季節限定味にすることで四季の風景を楽しめ作品にした。


2017年、京都にて。
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